主人は、若いころからよく、「順さん、本を書いてよ」と言っていました。
私も、「小説は無理だけどエッセイならね」と、軽い気持ちでこたえていました。
夫とは、たくさんの約束をしていました。
ヨーロッパ旅行に行こう、日本一周をしよう。
子供たちが巣立ったあとの二人の時間を楽しみにしていました。
でも主人は51歳で亡くなり、そんな二人でしたたくさんの約束は、
なにもまもれないまま。
でもひとつ、守れる約束がありました。
主人が好きだといってくれていた私の言葉を本にすること。
二人で新しい人生を歩みだすはずだった60歳に
あなたとの約束をまもれました。